NPO法人ターサ・エデュケーションの市村と申します。
私たちの活動にご興味を持っていただきありがとうございます。
ターサ・エデュケーションの設立のきっかけは、私自身の原体験にあります。私は幼少期から青年期にかけて母子家庭で育ちました。今思えば父親がいないだけと考えることができますが当時は「自分はみんなとは違う」そんな劣等感を常に抱いていました。みんなと違うことを恐れ、それ自体を隠し、いかにみんなと同じになるか、そんなことばかり考えていた気がします。
そんな私に1つの転機がありました。大学を卒業後、学習塾講師を経て市役所に入庁したことです。
私が配属された部署は「こども家庭課」という児童福祉に関する部署であり、各種児童に関する手当支給業務も行なっており、ここには多くの母子家庭の方も訪れました。
私はここで大きな衝撃を受けました。
母子家庭の大半の世帯は「貧困」であったのです。
当事者であったのに、今までその事実に気づくことはありませんでした。
初めて自身と同じ土俵で比べることにより気づくことができたのです。
その事実を知り私は心底自分が恥ずかしくなりました。
私が抱えていたものは父がいないという劣等感だけでした。
ほしいものは買ってもらえた、塾にも行かせてもらった、県外の大学に進学させたもらった。どれだけ自分が恵まれていたのかを強く実感しました。そして同時に強い怒りを感じました。なんでこの子どもたちは父がいないという劣等感を抱きながら、苦しい生活をしていかなければならないのだろうと。
またお金がないということは様々なチャンスが制約されることを知りました。その結果彼らが大人になり親になったとき、その家庭は貧困家庭になっていく、そんな負の世代間連鎖が発生することも。私はこの問題を見過ごすわけにはいきませんでした。
同じ母子家庭育ちとして、彼らに何かできることはないだろうか。
自身の経験やスキルを考えたとき、私ができることはなんだろうか。
それが学習支援でした。負の世代間連鎖を断ち切るために有効なことは学歴を得ること。学ぶ機会を無料で作ることができれば、子どもたちの未来が少しは変わるかもしれない。そんな想いから行動を起こすため法人を設立しました。
現在では活動の分野を広げ、マイノリティ(社会的少数派)と呼ばれる子どもたちそれぞれに向き合った支援を行なっています。
全ては当法人が掲げるビジョン「すべての子どもたちが未来にときめく社会を」実現するためです。
そのためにそれぞれに足りていない機会(チャンス)を公平に提供していくこと、
子どもたちにハシゴをかけていくことが不可欠であると考えております。
まだまだ実現できていることは多くはありませんが、私たちのミッション「可能性をフェアにする」を貫き、継続していくことで社会に関心を持たせ、社会課題の認識が広がり、そしてそれが大きな力に繋がっていくと思っています。
みなさまの暖かいサポートを何卒よろしくお願いいたします。
特定非営利活動法人ターサ・エデュケーション
代表理事 市村 均光(いちむら ただみつ)